外国人の永住許可が厳格化へ|「年金30年水準」と年収要件を解説|永住許可編 番外編 Vol.2
外国人の永住許可制度見直しへ
「年金30年水準」と年収要件を解説|永住許可編 番外編 Vol.2
2026年7月25日、外国人の永住許可について、年収、将来の年金受給見込み額、預貯金などの金融資産、日本語能力を、これまでより具体的な判断材料とする方向で制度を見直すと報じられました。
特に注目を集めているのが、報道で用いられた「日本人世帯の平均を上回る年収」と、「厚生年金に約30年間加入した場合に相当する年金水準」という表現です。
ただし、これは「永住申請には30年間の年金納付が必要になった」という意味ではありません。また、本記事公開時点では、報道された見直し内容を反映した正式なガイドラインは公表されていません。
本記事は、2026年7月24日から26日頃に報じられた内容と、公開時点の出入国在留管理庁の公式資料を基礎に整理したものです。
報道された見直し案は、正式決定・施行前の段階にあり、今後の検討や公表資料によって内容・基準・適用時期が変更される可能性があります。
この記事を1分でまとめると
- 政府が、外国人の永住許可に関する審査基準を具体化し、審査を厳格化する方向で検討していると報じられました。
- 報道では、年収が日本人世帯の平均を上回ることを一つの判断材料とする方向が示されています。
- 将来の年金受給見込み額について、厚生年金に約30年間加入した場合の水準を参考にする案が報じられています。
- 「年金30年水準」は、外国人に一律30年間の年金納付実績を求めるという意味ではありません。
- 年金見込み額だけでは一定の水準に届かない場合でも、預貯金などの金融資産を含めて生活基盤を判断する方向が報じられています。
- 日本語能力や日本の制度・生活ルールへの理解も、判断材料に加える方向が報じられています。
- 現時点では正式な改定ガイドラインは公表されておらず、具体的な金額、試験、適用時期などは確定していません。
最も重要なポイント
「年収がいくらなら必ず許可される」「年金を30年間納付しなければ申請できない」といった一律の結論は、現段階では示されていません。報道内容と正式な制度を分けて理解する必要があります。
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記事情報
| 記事区分 | Season1 永住許可編 番外編 Vol.2 |
|---|---|
| 記事の位置付け | 2026年7月に報じられた永住許可制度の見直し案を整理する制度動向記事 |
| 対象読者 | 永住許可を検討する外国人、外国人を雇用する企業担当者、外国人支援者、資格者 |
| 読了時間 | 要点1分/概要 — 分/全文約 — 分 |
| 基準時点 | 2026年7月27日 |
| 記事バージョン | Ver.1.1 |
1.今回、何が報じられたのか
2026年7月、政府が外国人の永住許可要件を見直し、従来よりも生活基盤や日本社会への適応状況を具体的に確認する方向で検討していると報じられました。
報道で示された主な検討項目は、次のとおりです。
現行制度でも、収入、資産、納税、年金・健康保険料の納付状況、在留年数、法令遵守などは審査に関係しています。
今回の報道は、これらの事情を総合的に判断する現在の考え方に加え、一部の判断項目や目安をガイドライン上で具体化する方向を伝えたものと考えられます。
注目されている二つの表現
申請者の生活が将来にわたり安定しているかを確認するため、年収をより具体的な判断材料とする方向が報じられています。
現在の納付月数だけでなく、将来の年金受給見込み額を生活基盤の判断材料として参考にする方向が報じられています。
もっとも、これらの表現だけでは、対象となる年収の統計、世帯人数による調整方法、年金見込み額の計算方法、預貯金との合算方法などは分かりません。
正式な基準は、今後公表されるガイドラインや関連資料を確認する必要があります。
2.新しい要件はまだ正式決定していない
本記事公開時点で、出入国在留管理庁の公式サイトに掲載されている「永住許可に関するガイドライン」は、2026年2月24日改訂版です。
2026年7月に報じられた年収、年金、金融資産、日本語能力などの新しい具体的基準は、公開中のガイドラインにはまだ反映されていません。
- 具体的に必要となる年収額
- 報道でいう「日本人世帯の平均」に用いる統計の種類と年度
- 世帯人数や扶養家族による調整方法
- 厚生年金30年加入相当とされる具体的な年金額
- 国民年金加入者、自営業者、配偶者、若年者などの取扱い
- 預貯金や不動産等をどこまで考慮するか
- 日本語能力をどの試験・水準で確認するか
- 新基準の適用開始日
- 申請済み案件や現在の永住者への適用範囲
報道内容と正式制度を区別する
制度改正に関する報道では、検討中の案が大きく取り上げられることがあります。
しかし、検討案は、その後の政府内調整、専門家や関係者からの意見、公表手続などを経て変更される場合があります。
| 区分 | 意味 | 現時点の扱い |
|---|---|---|
| 報道された見直し案 | 関係者取材などを通じて示された検討の方向性 | 内容が変更される可能性がある |
| 現行ガイドライン | 現在公表されている永住許可審査の基本的な考え方 | 申請時に確認すべき公式資料 |
| 今後の改定ガイドライン | 正式公表後に新しい基準や取扱いを示す資料 | 現時点では未公表 |
したがって、現在永住申請を検討している方が、報道だけを見て「もう申請できない」「30年間待たなければならない」と判断する必要はありません。
一方で、今後基準が具体化される可能性を踏まえ、収入、納税、年金、健康保険、在留状況などを日頃から適切に管理することは重要です。
3.現行の永住許可制度を確認する
今回の見直し案を理解するためには、まず現行制度の基本を確認する必要があります。
永住許可は、在留資格を有する外国人が、在留資格「永住者」への変更を希望する場合に、法務大臣が与える許可です。
一定年数日本に住んだだけで自動的に取得できるものではありません。
法律上の3つの基本要件
日本人、永住者または特別永住者の配偶者や子については、法律上、素行善良要件と独立生計要件の適用が除外される場合があります。
ただし、在留状況、公的義務の履行、婚姻や親子関係の実態などを含め、審査がなくなるわけではありません。
現行ガイドラインで確認される主な事項
- 原則として引き続き10年以上日本に在留していること
- その期間のうち、原則として就労資格または居住資格で一定期間在留していること
- 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと
- 納税、年金、健康保険料などの公的義務を適正に履行していること
- 現在の在留資格について、所定の在留期間を有していること
- 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
- 身元保証人その他、申請類型ごとに必要な要件・書類を満たすこと
現行制度でも年収・年金は無関係ではありません
現行制度にも「年収○万円以上」「年金見込み額○万円以上」という一律の数値基準は明記されていませんが、独立した生計を営めるか、公的義務を適正に履行しているかという観点から、収入、雇用、資産、税金、年金、健康保険などは既に重要な審査資料となっています。
今回の見直し案は何を変えようとしているのか
今回報じられた見直し案は、これまで総合的に判断されてきた生活基盤や日本社会への定着状況について、年収、年金受給見込み、金融資産、日本語能力などを、より具体的な判断項目や目安として示す方向とみることができます。
ただし、基準が具体化されれば申請者にとって分かりやすくなる面がある一方、示された目安に届かない場合には、個別事情を含めて、より慎重に審査される可能性があります。
「現行制度と見直し案の比較」「年収要件」「日本人世帯平均という表現の注意点」を詳しく整理します。
4.現行制度と見直し案の比較
現行の永住許可制度と、2026年7月に報じられた見直し案の違いを整理すると、次のようになります。
| 確認項目 | 現行制度 | 報道された見直し案 | 確定状況 |
|---|---|---|---|
| 年収 | 独立生計要件の中で、世帯構成、収入の継続性、職業、資産などを総合的に判断します。全国一律の最低年収額は、現行ガイドライン上、明記されていません。 | 報道では、原則として、日本人世帯の平均を上回る年収を一つの目安とする方向が示されています。 | 検討・報道段階 |
| 年金 | 公的年金の加入・納付状況を、公的義務の履行状況として確認します。将来の年金受給見込み額に関する全国一律の数値基準は、現行ガイドライン上、明記されていません。 | 報道では、一定の年収水準で厚生年金に約30年間加入した場合に相当する年金受給見込み額を、参考となる目安の一つとする方向が示されています。 | 検討・報道段階 |
| 預貯金・資産 | 独立生計要件を判断する際の事情として、申請者や世帯の資産が考慮される場合があります。 | 年収や年金受給見込み額だけでは一定の目安に届かない場合でも、預貯金などの金融資産を含めて生活基盤を判断する方向が報じられています。 | 検討・報道段階 |
| 日本語能力 | 一般の永住許可要件として、全国一律の日本語試験や合格水準は、現行ガイドライン上、明記されていません。 | 日本語能力や、日本の制度・生活上のルールに関する理解を、判断材料として明示する方向が報じられています。 | 検討・報道段階 |
| 子どもの就学 | 一般的な永住許可の必須項目として、子どもの就学に関する具体的な全国一律の基準は、現行ガイドライン上、明記されていません。 | 報道では、学齢期の子どもの就学状況などを、日本社会への定着状況に関する事情として確認する方向が示されています。 | 検討・報道段階 |
「新しい審査項目が一から加わる」というより、従来の総合判断を具体化する側面もあります。
収入、資産、年金、生活の安定性などは、現行制度でも永住許可審査と無関係ではありません。
今回報じられた見直し案は、従来から考慮されてきた事情の一部について、より具体的な項目や目安を示し、審査の明確化と厳格化を図る方向を伝えたものと考えられます。
一つの基準だけで決まるとは限らない
永住許可は、申請者本人だけでなく、配偶者や扶養家族を含む世帯全体の生活状況、収入の継続性、職歴、資産、公的義務の履行状況、在留状況などを踏まえて判断されます。
そのため、仮に新しい目安が示されたとしても、「年収だけで許可・不許可が自動的に決まる」「預貯金があれば、ほかの要件を満たしていなくても許可される」という単純な制度になるとは限りません。
5.年収要件はどう変わる可能性があるのか
報道では、永住許可における経済的基盤の判断について、原則として「日本人世帯の平均を上回る年収」を一つの目安とする方向が示されています。
現行ガイドラインでは、独立生計要件について、日常生活において公共の負担とならず、資産や技能などから将来において安定した生活が見込まれること、とされています。
しかし、現行ガイドラインには、一般の永住許可申請者に共通する「年収○万円以上」という全国一律の金額は記載されていません。
「日本人世帯の平均」は、まだ一つの金額に確定していない
「日本人世帯の平均年収」と聞くと、既に特定の金額が決まっているように受け取られるかもしれません。
しかし、世帯の所得や収入に関する政府統計には複数の種類があり、調査対象、所得の定義、世帯構成、集計年度などによって数値が異なります。
- どの政府統計を使用するのか
- 「平均所得」と「平均収入」のどちらを基準とするのか
- 税引前と税引後のどちらで判断するのか
- 申請者本人の年収と世帯全体の年収のどちらを基準とするのか
- 配偶者の収入をどこまで合算できるのか
- 扶養家族の人数をどのように反映するのか
- 地域による生活費の差を考慮するのか
- 直近1年間の収入を見るのか、複数年間の安定性を見るのか
したがって、報道で紹介された統計上の平均額を、そのまま全ての永住許可申請者に共通する最低年収額と断定することは適切ではありません。
具体的な金額や計算方法については、今後公表される正式なガイドライン、運用資料、必要書類などを確認する必要があります。
年収は「金額」だけでなく「安定性」も重要
永住許可の審査では、ある年に一時的に高い収入を得ていたかだけでなく、将来にわたり安定した生活を継続できるかという点も重要になります。
- 直近数年間の所得推移
- 雇用契約の内容と期間
- 勤務先や事業の継続性
- 転職・休職・離職の経緯
- 事業所得の安定性
- 配偶者の収入
- 扶養家族の人数
- 家賃や住宅ローンなどの固定費
- 世帯全体の生活費
- 公的扶助の受給状況
年収が平均を下回れば必ず不許可になるのか
現時点では、そのように断定することはできません。報道では「原則」とされており、預貯金などの金融資産を含めて生活基盤を判断する方向も伝えられています。
また、年齢、職業、世帯構成、配偶者の収入、住宅状況、保有資産、負債などによって、生活の安定性は異なります。正式な制度では、個別事情や補完的な評価方法が示される可能性があります。
注意
「日本人世帯の平均年収以上」という報道だけを基に、現在の年収が一定額を下回る方へ一律に申請断念を勧めることは適切ではありません。
実際に申請を検討する際は、申請時点の正式な基準と、申請者本人および世帯の個別事情を確認する必要があります。
6.「年金30年水準」とは何を意味するのか
今回の報道で、特に誤解を招きやすいのが、「厚生年金30年水準」という表現です。
報道された見直し案は、全ての申請者に対して、実際に30年間、日本の厚生年金へ加入していた実績を一律に求めるという内容ではありません。
将来受け取ることが見込まれる年金額について、一定の年収水準で厚生年金に約30年間加入した場合に受け取る年金額を、参考となる目安の一つとして用いる方向が報じられています。
実際の加入期間を一律に30年求める
のではなく
将来の年金受給見込み額が
「一定の収入で30年間加入した場合の水準」に達するかを参考にする
なぜ将来の年金額を確認するのか
永住許可を受けると、在留期間の更新を繰り返すことなく、日本で継続して生活できるようになります。そのため、現在の収入だけでなく、高齢期を含め、将来にわたり安定して生活できる基盤があるかを確認するという考え方が背景にあるとみられます。
年金の受給見込み額を確認することにより、次のような事情を把握することが想定されます。
- これまでの公的年金加入歴
- 保険料納付の継続性
- 厚生年金の標準報酬に反映された就労実績
- 将来の老後生活を支える公的年金の見込み
- 公的年金だけでは生活基盤の説明が難しい場合の金融資産の有無
年金受給見込み額は人によって異なる
厚生年金の受給見込み額は、単純に加入年数だけで決まるものではありません。
加入していた期間の報酬や賞与、加入月数、国民年金保険料の納付状況など、複数の事情によって異なります。
| 主な要素 | 年金受給見込み額への影響 |
|---|---|
| 加入期間 | 原則として、加入月数が長いほど年金額に反映されます。 |
| 標準報酬 | 加入期間中の給与や賞与に基づく標準報酬が、厚生年金の報酬比例部分に反映されます。 |
| 国民年金の納付状況 | 老齢基礎年金の受給額に影響します。未納期間がある場合は、満額より少なくなることがあります。 |
| 免除・猶予期間 | 制度上認められた免除や猶予であっても、全額納付した場合とは年金額への反映が異なることがあります。 |
| 今後の就労・加入見込み | 若年者などについて、将来の就労期間や年金加入期間をどのように評価するかが論点になると考えられます。 |
年金記録や見込み額を確認できる資料が重要になる可能性
将来の年金受給見込み額が審査上の判断材料となる場合、申請者が自分の年金加入記録や見込み額を確認できる資料の重要性が高まる可能性があります。
確認資料の例として、次のようなものが考えられます。
- ねんきん定期便
- ねんきんネットで確認できる年金見込額の試算結果
- 被保険者記録照会回答票
- 年金保険料の領収証書
- 社会保険料納入証明書など
ただし、これらはあくまで想定される確認資料の例です。どの資料を正式な申請書類として求めるかは、今後公表されるガイドラインや必要書類一覧を確認する必要があります。
7.「30年間の納付義務」ではない
「年金30年水準」という報道を見て、次のように受け止めた方もいるかもしれません。
- 日本で30年間働かなければ永住申請ができない
- 年金を30年間納付してからでなければ永住申請ができない
- 若い外国人は永住許可を取得できなくなる
- 高度人材に認められている1年または3年の在留期間特例が、事実上利用できなくなる
しかし、現時点で報じられている内容は、これらを直接意味するものではありません。
加入期間と受給水準は別の概念
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 30年間の加入実績 | 実際に厚生年金へ加入していた期間が30年間あること。 |
| 30年加入相当の受給水準 | 一定の収入で30年間加入した場合に想定される年金額と同程度の、将来の年金受給見込みがあること。 |
今回の報道で示されているのは、後者の「受給水準」に関する考え方です。
そのため、実際の加入期間が30年未満である場合に、今後の加入見込み、報酬水準、年齢、世帯状況、預貯金などをどのように評価するかが、制度設計上の重要な論点になります。
若年者や高度人材はどうなるのか
高度人材ポイント制による永住許可の在留期間特例では、所定のポイントや要件を満たすことにより、原則10年の在留要件が1年または3年に短縮される場合があります。
この特例を利用する申請者の多くは、日本の年金加入期間が30年に達していません。
そのため、報道された年金受給水準に関する考え方を、若年者や高度人材へどのように適用するかについては、過去の加入実績だけでなく、年齢、今後の就労・加入見込み、将来の年金受給見込み、保有資産などをどのように評価するかが重要になります。
現時点で不明な点
若年者、高度人材、国民年金加入者、自営業者、海外の年金制度へ加入していた方、配偶者の扶養に入っていた方などについて、具体的にどのような計算方法や代替的な評価方法を用いるかは、公表されていません。
「これまでの納付状況」と「将来の受給見込み」は別に確認される可能性
現行制度では、年金保険料を納期限までに適正に納付しているかという、公的義務の履行状況が重視されます。
今回報じられた見直し案が制度として具体化された場合、次の二つが、それぞれ異なる観点から確認される可能性があります。
- これまでの年金加入・納付状況
未納や納付遅延などがなく、公的義務を適正に履行しているか。 - 将来の年金受給見込み額
高齢期を含め、将来にわたり安定した生活を営める経済的基盤があるか。
仮に将来の年金受給見込み額が一定の目安に達していたとしても、過去の保険料に未納や納期限後の納付がある場合には、公的義務の履行状況という別の観点から審査上の問題となる可能性があります。
8.預貯金・金融資産はどのように考慮されるのか
報道では、年収や将来の年金受給見込み額が原則的な目安に届かない場合でも、預貯金などの金融資産を含めて経済的な安定性を判断する方向が示されています。
これは、現在の給与や将来の公的年金だけでは生活基盤を十分に説明できない場合に、申請者本人や世帯が保有する資産を、補完的な判断材料として評価する考え方です。
評価対象となる可能性のある資産
預貯金
普通預金、定期預金など、残高や継続的な保有状況を確認できる資産。
有価証券
株式、債券、投資信託など。ただし、価格変動、評価時点、換金性をどのように扱うかは未確定です。
退職金等
将来受け取ることが客観的な資料で確認できる退職給付などが、補完資料となる可能性があります。
不動産
居住用住宅や収益不動産など。ただし、評価額、担保や負債、収益性、換金性をどのように扱うかは不明です。
一時的な入金だけでは十分とは限らない
預貯金を立証する場合、申請直前に多額の資金を一時的に移動させただけでは、本人が継続して保有している資産なのか、借入金や第三者からの一時的な預り金なのかについて、説明を求められる可能性があります。
資産形成の経緯を説明できるよう、給与の蓄積、資産の売却、相続、事業収益など、資金の出所を客観的に示す資料が必要となる場合があります。
- 預金通帳の写しや残高証明書
- 一定期間の入出金履歴
- 証券会社の残高報告書
- 不動産の登記事項証明書や評価資料
- 住宅ローンその他の借入金の残高資料
- 資金形成の経緯を説明する契約書、売買資料、相続関係資料など
ただし、これらは現時点で正式な必要書類として公表されたものではなく、資産を説明する際に想定される資料の例です。
資産があれば年収や年金は不要になるのか
現時点では、そのように考えることはできません。報道では、金融資産は年収や年金受給見込み額を補完する事情として考慮される方向が示されています。
永住後の長期的な生活を判断する際には、資産の総額だけでなく、継続的な収入、将来の年金、世帯の支出、負債、扶養家族、資産の換金性なども含めて検討される可能性があります。
9.日本語能力はどのように確認されるのか
報道では、永住許可の判断材料として、申請者の日本語能力と、日本の制度や生活上のルールに関する理解を明示する方向が示されています。
現行の一般的な永住許可ガイドラインには、日本語能力試験の合格を全国一律に求める規定はありません。そのため、新しい基準が導入される場合には、どのような方法で日本語能力や制度理解を確認するのかが重要になります。
確認方法として考えられる例
正式な確認方法は公表されていませんが、制度設計上の例として、次のような方法が考えられます。
- 日本語能力試験(JLPT)などの試験結果
- 日本語教育機関や学校の修了証明
- 日本における学歴や就労実績
- 申請書類や面談を通じた確認
- 生活、行政手続、法令などに関する学習・講習の受講歴
- 日本社会への参加状況を示す資料
ただし、これらは現時点で正式な審査方法として決定されたものではなく、考えられる例にすぎません。
日本語能力の確認方法や基準はまだ決まっていません
今後、日本語能力試験(JLPT)などの試験結果が審査に用いられるのか、また、用いられる場合にどの程度の日本語能力が求められるのかは、現時点では明らかになっていません。
「N2以上が必要になる」「N3が基準になる」といった情報を見かけた場合でも、出入国在留管理庁などが正式に公表した内容であるかを確認する必要があります。
本記事公開時点では、一般の永住許可申請について、特定の日本語試験の受験や、一定の試験水準への合格を一律に求める正式な基準は公表されていません。
なぜ日本語能力が重視されるのか
永住者として日本で長く生活するためには、日常会話だけでなく、税金、社会保険、医療、教育、防災、行政手続などに関する情報を理解し、必要な対応を行う力も重要になります。
日本語能力や日本の制度に関する理解を確認する目的として、次のような点が考えられます。
| 分野 | 必要となる理解の例 |
|---|---|
| 税金・社会保険 | 納付書や通知の内容、納期限、必要な届出などを理解し、適切に対応する。 |
| 行政手続 | 住民登録、在留カード、転居、出生、婚姻などに関する必要な手続きを行う。 |
| 生活ルール | ごみ、防災、交通、住宅、地域生活などに関するルールを理解する。 |
| 教育・子育て | 就学手続や学校からの連絡を理解し、保護者として必要な対応を行う。 |
| 権利と義務 | 日本で生活する上で守るべき法令や義務と、利用できる制度や権利を理解する。 |
高齢者や障害のある方などへの配慮
仮に日本語能力に関する基準が設けられる場合には、年齢、障害、疾病、教育歴などの事情に応じた配慮や例外的な取扱いが設けられるかどうかも、重要な論点になります。
また、日本人や永住者の配偶者、長年日本で生活している方、難民認定を受けた方などについて、申請類型や個別事情に応じてどのような取扱いとなるかも、今後公表される正式な資料を確認する必要があります。
制度見直しが検討される背景、今後の公表・改定スケジュール、永住申請を検討している方が今から準備できることを整理します。
10.制度見直しが検討される背景
永住許可制度の見直しが検討される背景には、日本で長期的に生活する外国人が増える中で、永住許可後も安定した生活基盤を維持し、公的義務を適正に履行できるかを、これまで以上に具体的に確認しようとする考えがあるとみられます。
永住者は、就労活動の種類に原則として制限がなく、在留期間の更新も必要ありません。その一方で、日本社会の構成員として長期に生活することになるため、収入、社会保険、日本語能力、家族の生活状況などをどのように確認するかが、重要な制度上の論点となっています。
永住者数の増加と制度運用の明確化
日本に在留する外国人が増加し、日本で就労、結婚、子育てをしながら長く生活する方も増えています。永住許可申請が増える中で、審査基準の分かりやすさ、公平性、将来の生活安定性をどのように確認するかが、制度運用上の課題となっています。
具体的な判断項目や目安をガイドラインに示すことには、審査を厳格化する側面だけでなく、申請者が必要な準備や注意点を事前に把握しやすくなるという側面もあります。
- 審査基準の具体化・明確化
- 申請者間の公平性の確保
- 将来の生活基盤の確認
- 公的義務の履行状況の確認
- 日本社会への定着状況の確認
- 必要な条件を事前に把握しやすくなる
- 不足している点を早期に確認できる
- 申請時期を検討しやすくなる
- 審査結果の予測可能性が高まる可能性がある
- 一方で、具体的な目安に届かない場合の影響も考えられる
公的義務の履行を重視する流れ
現行の永住許可ガイドラインでも、税金、年金、健康保険料などの公的義務を適正に履行していることが、重要な確認事項とされています。
単に申請時点で未納額が残っていないことだけでなく、法令で定められた納期限までに適正に納付していたかが問題となる場合があります。申請直前に未納分をまとめて支払ったとしても、過去の納付遅延による影響が必ず解消されるとは限りません。
今回の見直し案とは別に注意すべきこと
新しい年収額や年金受給水準が正式に決定していない段階でも、現行制度における税金、年金、健康保険料などの納付義務は既に存在しています。
新しい基準の公表を待つ間も、現在の公的義務を納期限どおりに履行し、納付記録を適切に保管することが重要です。
日本語能力と日本社会への定着
日本語能力を確認する方向が報じられている背景には、行政機関などからの通知を理解し、税金、社会保険、教育、医療、防災などに関する必要な手続きを適切に行えることが、長期的な生活の安定につながるという考えがあるとみられます。
ただし、今後どのような日本語能力が求められるかは公表されていません。日本語試験の結果だけでなく、日本の法令や生活上のルールを理解し、地域、職場、学校などで継続的に生活している状況をどのように評価するかも、今後の重要な論点になります。
11.今後の公表・改定スケジュール
本記事公開時点では、見直し後の正式なガイドライン、具体的な数値基準、必要書類、適用開始日などは公表されていません。
今後、政府や出入国在留管理庁から、見直しの方針や具体的な取扱いに関する資料が順次公表される可能性があります。
| 今後想定される段階 | 確認すべき主な内容 |
|---|---|
| 政府方針の公表 | 見直しの目的、対象となる審査項目、制度変更の基本的な方向性。 |
| 関連資料の公表 | 年収、年金受給見込み、金融資産、日本語能力などに関する具体的な考え方。 |
| ガイドラインの改定 | 正式な審査基準、対象者、特例、例外、適用時期、経過措置など。 |
| 必要書類の変更 | 年金見込額、金融資産、日本語能力などを確認するための書類が追加されるか。 |
| 新基準の適用開始 | いつの申請から適用されるか、既に受理されている申請をどのように扱うか。 |
特に確認すべき三つの日付
- 改定内容の公表日
新しいガイドラインや公式の説明資料が公表された日。 - 施行日・運用開始日
新しい基準に基づく審査や運用が始まる日。 - 適用基準日
申請日、申請受理日、審査時点など、どの時点を基準として新しい制度を適用するか。
制度改正では、改定内容の公表日と、実際の適用開始日が同じになるとは限りません。
また、既に受理されている申請について旧基準を適用するのか、新基準を適用するのか、一定期間は旧基準を残すのかなど、経過措置が設けられる可能性があります。
申請を急ぐべきかは個別に判断する必要があります
「制度が厳格化される前に、できるだけ早く申請すべき」と一律に判断することはできません。
現行制度の要件を十分に満たしていない状態で申請を急ぐと、不許可となる可能性があります。
現在の在留歴、公的義務の履行状況、収入の安定性、転職歴、家族状況などを確認した上で、申請時期を判断することが重要です。
正式な情報は出入国在留管理庁の資料で確認する
永住許可に関する正式な情報は、出入国在留管理庁が公表する永住許可に関するガイドライン、申請手続、必要書類一覧、各種のお知らせなどで確認してください。
ニュース記事やSNSの投稿は、制度の動向を知るきっかけとして有用ですが、検討中の案と正式に決定した事項が混在している場合があります。実際の申請判断では、必ず申請時点の最新の公式資料を確認することが重要です。
12.永住申請を考えている方が今できること
新しい基準が正式に公表される前でも、永住申請を考えている方が準備できることはあります。
報道だけを基に特別な対策を急ぐよりも、まずは現行制度で求められている事項を正確に確認し、公的義務の履行状況や日常的な記録を整えることが重要です。
① 税金・年金・健康保険料を期限どおり納付する
住民税、所得税、年金保険料、健康保険料などについて、未納がないかだけでなく、それぞれの納期限までに適正に支払っているかを確認します。
- 納付書、領収証書、口座振替記録などを保管する
- 給与天引きや口座振替が正常に行われているか確認する
- 転職・退職時の健康保険や年金の切替を忘れない
- 免除や納付猶予を利用する場合は、正式な手続きを行う
- 配偶者や扶養家族の加入・納付状況も確認する
② 自分の年金記録を確認する
ねんきん定期便やねんきんネットなどを利用し、加入記録、標準報酬、未納・免除・猶予期間、将来の年金受給見込み額などを確認します。
記録に誤りや不明な空白期間がある場合は、勤務先、日本年金機構、年金事務所などへ早めに確認することが大切です。
- 基礎年金番号
- 国民年金・厚生年金の加入期間
- 保険料の未納・免除・納付猶予期間
- 勤務先ごとの加入記録と標準報酬
- 将来の年金受給見込み額
③ 収入の継続性を説明できるようにする
課税証明書や納税証明書だけでなく、雇用契約書、給与明細、源泉徴収票、確定申告書、事業の決算資料などを整理し、収入の金額と継続性を説明できるようにします。
転職、休職、育児休業、病気やけが、事業収入の減少などがあった場合には、その事情と現在の就労・収入状況を説明できる資料を整理しておくことが重要です。
④ 世帯全体の生活状況を把握する
永住許可における生活基盤は、申請者本人の給与だけでなく、配偶者の収入、扶養家族、住居費、資産、負債などを含む世帯全体の状況から判断される場合があります。
| 確認項目 | 具体例 |
|---|---|
| 世帯収入 | 本人、配偶者、同居家族などの給与、事業収入、年金その他の継続的収入。 |
| 扶養状況 | 配偶者、子ども、同居親族、国外扶養親族など。 |
| 住居費 | 家賃、住宅ローン、管理費、共益費など。 |
| 資産 | 預貯金、有価証券、不動産、退職金見込みなど。 |
| 負債 | 住宅ローン、自動車ローン、事業借入、教育費に関する借入その他の債務。 |
⑤ 預貯金の形成過程を記録する
預貯金などの金融資産が補完的な判断材料となる可能性を踏まえ、現在の残高だけでなく、その資産をどのように形成したかを説明できるようにします。
- 給与の振込口座と貯蓄口座の入出金記録を確認する
- 多額の入金について、契約書や明細などを保管する
- 海外口座の資産は、名義、残高、通貨、換金性を確認する
- 借入金と自己資金を明確に区別する
- 家族名義の資産と申請者本人名義の資産を区別する
⑥ 日本語学習と制度理解を継続する
正式な日本語能力の基準はまだ示されていませんが、日本語学習を継続することは、永住許可だけでなく、日本での就労、子育て、行政手続、医療、地域生活などにも役立ちます。
日本語能力試験などを受験した場合は、合格証明書や成績証明書を保管してください。学校や日本語教育機関で学んでいる場合には、在籍証明書や修了証明書なども整理しておくとよいでしょう。
また、税金、社会保険、防災、教育、交通など、日本で生活する上で必要となる制度やルールについて、日頃から理解を深めることも大切です。
⑦ 在留カードや各種届出を適正に管理する
住所変更、勤務先や所属機関の変更、配偶者との離婚・死別など、在留資格に関する届出が必要な場合には、法令で定められた期間内に手続きを行います。
在留期間の更新や在留資格変更についても、期限直前になってから慌てることがないよう、余裕をもって準備することが重要です。
- 税金・年金・健康保険料の納付状況
- 年金加入記録と将来の年金受給見込み額
- 収入と雇用・事業の継続性
- 世帯収入・扶養家族・生活費
- 預貯金と資金形成の経緯
- 日本語学習と日本の制度に関する理解
- 在留カード・各種届出・在留期間の管理
13.よくある質問(FAQ)
Q1.永住申請には、年金を30年間納付しなければならないのですか?
いいえ。本記事公開時点で、全ての申請者に30年間の年金納付実績を求める正式な要件はありません。
報道された内容は、実際の30年間の納付実績ではなく、一定の収入で厚生年金に約30年間加入した場合に相当する「将来の年金受給見込み額」を、判断の目安の一つとする方向です。
Q2.日本での年金加入期間が短いと、永住申請できませんか?
現時点では、年金加入期間が短いという理由だけで一律に申請できないとは言えません。
年齢、今後の就労・加入見込み、報酬水準、預貯金、世帯状況などをどのように評価するかについては、今後公表される正式な基準を確認する必要があります。
Q3.高度人材でも、30年間の年金加入が必要になりますか?
現時点で報じられている内容は、高度人材を含む全ての申請者に30年間の実加入を求めるものではありません。
高度人材ポイント制による1年または3年の在留期間特例との関係や、若年者の将来の年金受給見込みをどのように評価するかは、公表されていません。
Q4.年収はいくら必要になりますか?
本記事公開時点では、具体的な最低年収額は正式に公表されていません。
「日本人世帯の平均を上回る年収」と報じられていますが、どの統計を使用するのか、世帯人数をどう反映するのか、配偶者の収入を合算できるのかなどは未確定です。
Q5.申請者本人の年収だけで判断されますか?
現行制度では、申請者本人の収入だけでなく、配偶者の収入、扶養家族の人数、資産、負債などを含む世帯全体の生活状況が考慮される場合があります。
見直し後の制度において、本人年収と世帯年収をどのように区別し、評価するかについては、正式資料の公表を待つ必要があります。
Q6.年収が平均を下回っていても、預貯金があれば申請できますか?
報道では、年収や年金受給見込み額が一定の目安に届かない場合でも、預貯金などの金融資産を含めて判断する方向が示されています。
ただし、必要となる資産額、評価対象となる資産の種類、保有期間、資金形成の経緯などは確定していません。
Q7.申請前に親族からお金を借りて、預金残高を増やしてもよいですか?
一時的な借入金は、申請者本人が安定して保有する資産とは評価されない可能性があります。
資産を説明する場合は、残高だけでなく、資金の出所、名義、保有期間、形成経緯などを客観的な資料によって説明できることが重要です。
Q8.不動産を所有していれば、年収が低くても問題ありませんか?
不動産は、生活基盤や資産状況を示す資料の一つとして考慮される可能性があります。
ただし、不動産を所有しているだけで、年収や年金受給見込みに関する目安を満たしたことになるとは限りません。評価額、住宅ローンなどの負債、収益性、換金性、本人や家族の居住状況などを含めて判断される可能性があります。
Q9.国民年金に加入している自営業者は不利になりますか?
現時点では、そのように断定することはできません。
報道では、厚生年金に約30年間加入した場合に相当する年金水準が取り上げられていますが、国民年金加入者、自営業者、会社経営者などについて、事業収入、預貯金、退職後の資産、今後の事業継続性などをどのように評価するかは公表されていません。
Q10.海外で加入していた年金も考慮されますか?
海外の公的年金や私的年金を、将来の生活基盤としてどこまで考慮するかは、公表されていません。
日本と社会保障協定を締結している国における年金加入期間についても、永住許可審査上、どのように評価するかは明らかになっていません。今後公表される正式なガイドラインや関連資料を確認する必要があります。
Q11.配偶者の扶養に入っている場合はどうなりますか?
配偶者の扶養に入っている方については、本人の収入や年金だけでなく、配偶者の収入、年金加入状況、世帯の資産、扶養家族の人数、住居費などを含め、世帯全体の生活基盤から判断される可能性があります。
ただし、報道された見直し案において、扶養されている配偶者をどのように評価するかは、公表されていません。
Q12.日本人の配偶者にも新しい年収要件が適用されますか?
日本人、永住者または特別永住者の配偶者や子については、法律上、素行善良要件や独立生計要件の一部が適用されない場合があります。
ただし、今回報じられた見直し案が、これらの申請類型にどこまで適用されるかは明らかになっていません。在留状況、公的義務の履行、婚姻や家族関係の実態などの確認がなくなるわけではありません。
Q13.日本語能力試験に合格しなければ、永住許可を受けられなくなりますか?
本記事公開時点では、一般の永住許可要件として、日本語能力試験の特定レベルへの合格を一律に義務付ける正式な基準は公表されていません。
日本語試験の結果を利用するのか、面談、学歴、就労実績、生活実態などを含めて判断するのかも未確定です。
Q14.日本語能力は、どの程度必要になると考えられますか?
具体的な試験名や必要水準は公表されていません。
日常生活、職場、行政手続、医療、子育てなどに必要となる日本語能力や、日本の制度・生活上のルールに関する理解を、どのような方法で確認するかが今後の論点になります。
Q15.子どもが学校に通っていないと、永住許可は不許可になりますか?
子どもの就学状況を、どのような基準で確認するかは公表されていません。
病気、障害、海外教育、インターナショナルスクール、家庭の事情など、就学状況にはさまざまな事情があります。そのため、単純に学校への在籍の有無だけで判断されるとは限りません。
Q16.過去に年金や税金の支払いが遅れたことがあります。申請できませんか?
期限後に納付済みであっても、永住許可では、納期限を守って公的義務を履行していたかが確認される場合があります。
ただし、納付遅延の時期、回数、期間、理由、その後の納付状況などによって評価は異なります。過去に遅延があるという理由だけで、一律に申請できないと断定することはできません。
Q17.転職したばかりでも永住申請できますか?
転職したことだけを理由として、永住申請ができなくなるわけではありません。
ただし、新しい勤務先での雇用の安定性、試用期間、給与、雇用契約の内容、転職理由、過去の職歴、収入の変化などが確認される可能性があります。
Q18.現在無職でも、十分な預貯金があれば永住申請できますか?
預貯金は、生活基盤を示す判断材料の一つとなる可能性があります。
ただし、無職である理由、離職期間、再就職の見込み、配偶者の収入、保有資産、負債、扶養家族、毎月の生活費などを含めた総合的な判断になります。預貯金だけで必ず独立生計要件を満たすとは限りません。
Q19.既に永住許可を取得している人にも、新しい基準が適用されますか?
今回報じられた内容は、主として、新たに永住許可を申請する際の審査基準に関するものです。
既に永住許可を取得している方への適用の有無や範囲については、正式な制度や関連資料が公表されるまで断定できません。
Q20.現在申請中の案件にも新しい基準が適用されますか?
新しい基準が公表された場合に、申請日、申請受理日、施行日、審査時点などのうち、どの時点を基準として適用するかは公表されていません。
ガイドラインの改定時には、適用開始日や申請済み案件に関する経過措置が示される可能性があります。
Q21.基準が厳しくなる前に、急いで申請した方がよいですか?
一律に申請を急ぐことは推奨できません。
現行要件を十分に満たしていない状態で申請すると、不許可となる可能性があります。在留歴、納税、年金、健康保険、収入、転職歴、家族状況などを確認した上で、申請時期を判断する必要があります。
Q22.報道された基準は、いつから始まりますか?
本記事公開時点では、正式な適用開始日は公表されていません。
今後、出入国在留管理庁などから、ガイドラインの改定内容、必要書類、適用開始日、経過措置などが公表される可能性があります。
Q23.永住許可の新しい基準は、どこで確認できますか?
正式な情報は、出入国在留管理庁が公表する「永住許可に関するガイドライン」、永住許可申請の案内、必要書類一覧、各種のお知らせなどで確認してください。
報道記事やSNSの情報だけを基に、申請の可否や申請時期を判断しないことが重要です。
以上のFAQの回答は、2026年7月27日時点で公表されている公式資料と、報道された検討内容を基礎に整理したものです。
新しい基準や具体的な運用が正式に公表された後は、回答内容を更新・変更する場合があります。
14.まとめ
2026年7月、外国人の永住許可について、年収、将来の年金受給見込み額、預貯金などの金融資産、日本語能力、日本の制度や生活上のルールに関する理解などを、これまで以上に具体的に確認する方向で見直しが検討されていると報じられました。
特に注目されているのが、報道で用いられた「日本人世帯の平均を上回る年収」と、「厚生年金に約30年間加入した場合に相当する年金水準」という表現です。
しかし、本記事公開時点では、報道された見直し内容を反映した正式なガイドラインは公表されていません。
- 具体的な最低年収額は、まだ正式に公表されていません。
- 「年金30年水準」は、30年間の年金加入・納付実績を一律に求めるという意味ではありません。
- 将来の年金受給見込み額を、生活基盤の判断材料の一つとする方向が報じられています。
- 年収や年金だけでなく、預貯金などの金融資産を含めて判断する可能性があります。
- 日本語能力や、日本の制度・生活ルールへの理解も判断材料となる可能性があります。
- 若年者、高度人材、自営業者、国民年金加入者などの具体的な取扱いは公表されていません。
- 現在申請中の案件や、既に永住者である方への適用範囲も確定していません。
「30年間納付しなければ申請できない」という制度ではない
今回の報道で最も注意すべき点は、「年金30年」という言葉だけが独り歩きし、実際に30年間の年金加入や納付を終えなければ、永住申請ができないと誤解されることです。
報道された見直し案は、一定の収入で厚生年金に約30年間加入した場合に相当する、将来の年金受給見込み額を参考にするというものです。
実際の加入期間、年齢、今後の就労・年金加入見込み、報酬水準、配偶者の収入、預貯金などをどのように評価するかについては、今後公表される制度の詳細を確認する必要があります。
現行制度で求められている事項を整えることが基本
新しい制度が正式に公表される前の段階で、報道だけを基に特別な対策を急ぐ必要はありません。
まずは、現行制度で重視されている次の事項を確認し、適切に整えることが基本です。
- 税金、年金、健康保険料を納期限までに支払う
- 年金の加入記録と将来の年金受給見込み額を確認する
- 安定した収入と雇用・事業を継続する
- 転職、休職、収入減少などがある場合は、その経緯を説明できるようにする
- 世帯収入、扶養家族、生活費、資産、負債を把握する
- 預貯金の残高だけでなく、資金形成の経緯を記録する
- 日本語学習と、日本の制度・生活ルールに関する理解を継続する
- 在留カード、住所、勤務先などに関する必要な届出を適正に行う
「年収が平均以下だから申請できない」「年金加入期間が30年未満だから申請できない」と、現段階で一律に判断することはできません。
永住許可は、在留歴、素行、生活基盤、公的義務の履行状況、家族状況などを含めて審査されます。申請時点の正式なガイドラインと、申請者ごとの個別事情を確認することが重要です。
正式なガイドライン公表後に改めて確認する
今後、出入国在留管理庁から新しいガイドラインや必要書類が公表された場合には、主に次の点を確認する必要があります。
- 具体的な年収の目安や基準額
- 使用する統計と、世帯人数による調整方法
- 配偶者の収入を含む世帯収入の取扱い
- 年金受給見込み額の計算・確認方法
- 預貯金、有価証券、不動産などの評価方法
- 日本語能力や制度理解の確認方法と必要水準
- 若年者、高度人材、自営業者、国民年金加入者などの取扱い
- 新基準の適用開始日と経過措置
正式なガイドラインの公表前であっても、トガイロウでは報道内容や公表資料を継続的に確認し、制度の動向を分かりやすくお伝えできるよう、本記事を随時更新してまいります。
報道された一つの数字や表現だけで、申請できる・できないと判断することはできません。現在の在留状況、収入、納税、年金、健康保険、家族状況などを整理し、申請時点の最新の公式資料に基づいて準備を進めることが大切です。
参考資料
本記事は、公開時点における次の公式資料と、2026年7月に報じられた制度見直しに関する内容を基礎として作成しています。
- 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」
- 出入国在留管理庁「永住許可申請」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
- 日本年金機構「ねんきん定期便」
- 2026年7月24日から26日頃に報じられた、永住許可要件の見直しに関する報道
出入国在留管理庁のウェブサイトでは、ガイドライン、申請案内、必要書類などが改定される場合があります。
実際に申請を行う際は、過去に保存した資料だけで判断せず、申請時点で公開されている最新の公式資料をご確認ください。
記事の位置付け・免責事項
本記事は、外国人の永住許可制度に関する一般的な情報提供を目的として作成したものであり、個別の申請について、許可または不許可の結果を保証するものではありません。
永住許可は、申請者の在留歴、家族関係、収入、資産、納税、年金、健康保険、法令遵守、在留状況その他の個別事情に基づいて審査されます。
本記事に掲載した2026年7月の制度見直しに関する内容は、報道と記事公開時点の公表資料に基づくものであり、正式決定前の情報を含みます。今後、制度内容、審査基準、必要書類、適用時期などが変更される可能性があります。
実際に申請を行う場合や、申請時期・要件について個別の判断が必要な場合は、出入国在留管理庁の最新情報を確認するとともに、必要に応じて行政書士、弁護士その他の専門家へご相談ください。
記事の更新方針
本記事は、永住許可制度の見直しが検討されている段階における速報解説として公開しています。
今後、出入国在留管理庁などから正式なガイドライン、必要書類、適用開始日、経過措置などが公表された場合には、内容を確認した上で、本記事へ反映します。
正式なガイドラインの公表前であっても、トガイロウでは報道内容や公表資料を継続的に確認し、制度の動向を分かりやすくお伝えできるよう、本記事を随時更新してまいります。
更新履歴
| 更新日 | バージョン | 更新内容 |
|---|---|---|
| 2026年7月27日 | Ver.1.1 | 2026年7月に報じられた永住許可制度の見直し案について、年収、年金30年水準、預貯金、日本語能力などを整理。現行制度との違い、申請者が確認すべき事項、FAQ、参考資料などを含む速報解説として公開。 |
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